さようなら、過ぎ去った日々よ/ホロウ・シカエルボク
など理解出来るわけがないではないか?
空の棺桶は誰を待ち続けているんだろう
おれはその長さを確かめるような真似はしなかった
もしもそれが自分をゆったりと横たえるのにちょうどよい長さだったりしたら
怯えて狂うのか安らかに目を閉じるのか分からなかったからだ
生身程度の自分としてはどちらのおれも認めたくはなかった
そんな気持ちあんたには分かってもらえるだろうか
なあ、冬のように冷えてくる、どうすればいい
冷えてくる温度とマリアの高く転がる歌声
(なぜどうしてこのふたつはこんなにもよく似てるのだろう?)
背もたれはおれを邪険に受け止め
暮方はもうすぐ夜に変わる
おれはカーテンを少し
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)