さようなら、過ぎ去った日々よ/ホロウ・シカエルボク
 
じに近いものかもしれないな
一行書くごとに背もたれに倒れて
額に群れをなす小さな血管の疼きを確かめている
それをしなければこの綴りを終了させることが出来ないような気がするのだ、なぜならおれは予兆を抱え続けて書いてしまっているからだ
いま、もしも誰かがおれの手を取ったとして
そいつにはおれの脈を上手く感じることが出来ないかもしれない、そうしたらそいつの中でおれは確実に死んでいるのだ
額に群れをなす血管の疼きを確かめている
それが疼き続けているか
それとも止まっているか
あるいは疼いているくせに熱を失っているか
そのうちのいったいどれであってほしいと願っているのだろうと考えながら
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