白い原稿用紙/あおば
 
を楽しみたいが
仕事中なので我慢している顔が目に見えるようだ

縁起の良いぞろ目銀行が
街の中心で営業しているから
今日も朝の空気が整って
呼吸が楽になる
それに
信号機の光源が
電球から
LEDに変わってからは
昼間でも青信号か良く認識できるようになったと
皮肉を言われた
徹夜した白い顔の男達が
物憂げに見あげる街角には
食べ残しのおつまみのような白い月骸が
青空に昨晩の飲み過ぎの反省文を書かされているのだと
通学の児童に語りかけるいい加減が大好きな男が
カバンから買ったばかりの原稿用紙をとりだして
おもむろに筆記する
誤字脱字が多いその反省文は
読むに
[次のページ]
戻る   Point(5)