ゴウセイ/ねなぎ
 
れて残っていた

良い思いでが
ある訳もなく
懐かしいとも
思えないのだが
自然と足は
校舎の裏側にと
向かっていた

一輪車やら
土嚢がそのまま
放り出されてて
カラーコーンと
ロープをくぐって
スコップが刺さった
土の脇を踏締め
未だ静かな
工事現場を
裏へと回ると

昔からそうだった様に
日もあまり
当たらず
狭いじめじめとした
土の向こうに
金網が布かれて
生垣の向こうは
ドブ川となって
すえた様な
臭いを発している

その緑色のフェンスの
一番隅に
ひっそりと小屋が
あったはずだが
今はもう無く
その跡地を
思わ
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