ゴウセイ/ねなぎ
 
思わせるかのように
鳥の餌などが混じる
ドブと合わさった
独特の臭いの湿地に
雑草が生えていた

その場所は
何の変化も無く
その場に染み付いた
空気と言うものは
消せずに残り
時間がこびり付いて
淀んだまま

そこは嫌な予感がした

何故か
そこに立ち尽くし
僕は
何かを
忘れている
気がした

何かを
踏みつけた
感触がして

草むらの中の
それは
古く錆びた
南京錠

あの時
眠い目をこすって
僕は
朝も早いと言うのに
確か
生臭い嫌なにおい
ここで
鶏の鳴き声
鍵を
けたたましく
掛ける
金網とドアがバタ
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