子供たちの世界/真島正人
僕は打ちのめされていく。僕はボコボコに殴られる。僕はぺしゃんこにつぶされる。僕のつぶれてひしゃげた体から大量の水が噴き出す!
僕:いや、すごかった。
大塚君:つまんなかったっすよ。
僕:お前寝てただろ。見てないからだよ。
大塚君:なんか、宗教的な主題だったじゃないっすか。俺、宗教って嫌いなんですよね。だから見る気を起こさなくなっちゃって。
僕にはその映画が宗教について語っていたのかは、一切関係がなくて、ただその映画の水浸しの風景がとても心を打ったのだ、それだけなのだ、やはり僕は、自分の口からつむぎ出た言葉のとおり、『周辺にしか』圧倒されない。主題以外のモチーフ。ただのあふれる水。
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