子供たちの世界/真島正人
と休憩しようよ。正直こんなんじゃ進まないから。
大塚君:あ、そうだね、園田さん、テラスでも行かない?外の風吸おうよ、俺、缶ジュースぐらいならおごるから。宮部さんも。
僕:(深くため息)
僕は急な思いつきで、参考になる映画を見に行く会を提案し、適当に見繕った結果、郊外のボロ劇場で再上映を朝一番で一回だけやっているアンドレイ・タルコフスキーの『ノスタルジア』を見に行く。大塚、案の定開始30分ほどで寝ている。園田、誘ったのに来ない。僕。適当に選んだ割に意外に気に入って、食い入るように画面を見つめる。なんだか水があふれている。水があふれている。僕の心もせりあがっていく。僕は漂白されていく。僕は
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