子供たちの世界/真島正人
だか不思議なことになって来るんだ。『あれれ、これってなんだろう、ただ単にこれだけなのかな、なんだか、重要なことが本当は語られてるんじゃないの?』って。それは錯覚なんだ。でも、その錯覚が重要なんだ。錯覚。周辺だけを語って、中心点が空洞であるってのは、非常に重要な手法なんだ。
大塚君:(一切悪気のない感じで)はぁ。でも、この宮部さんのシナリオって、宮部さんが書いたものなんだから、チェーホフじゃないですよね。
僕:(無言。頭は沸騰寸前である)
そんな僕たちを、いまだ回されていない安物の手持ちカメラが見ている。見ている。見ている。
僕にちょっと気のある(希望的観測)後輩女子:ね、ちょっと休
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