子供たちの世界/真島正人
 
詞の部分の必要性が感じられないんすよ。
僕:馬鹿、馬鹿馬鹿馬鹿。もひとつ馬鹿。具体例か、いいぜ、具体例挙げてやるよ。例えば、お前さぁ、チェーホフの『荒地』って読んだことあるか?ないだろ、なぁ、ないんだろ、ないっていえよ。いやいや、全然怒ってないんだけどさ、あれなんていい例だよ。なんだかよくわかんないんだけど、馬車が荒地を走っていくわけよ。その間ずっと、いろんな考え事をするだけの小説なんだ(と、思う、俺の記憶では。そんなんだったとどこかで聴いた。実は読んだことないんだが、まぁ、面倒で読む気にもならんが、ここで例に出したってどうせ大塚にゃバレないよな)。それでも、それを読んでいると、読み手はなんだか
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