家族アフェア/フミタケ
いるときの僕の事を母親がまるで知らない事と全く同じ
おそらく
いろいろ干渉される懸念からの見えない予防線が機能しているんだ
家族の間ではお互いの事について案外何も知らなすぎていたりする
妹が結婚したときもそうで
家族全員が彼女の妊娠にひどく驚いた
そういえば
僕がまだ幼い子供だった頃
自宅の庭で
とても可愛らしいけど全く知らない女の人におもむろに首を絞められた事がある
僕は全く無抵抗のまま、なすがままだったのだが
その人は手を離し
ひどく泣き
泣きじゃくり
僕に何か優しく言ってからいなくなったのだ
父親は家族の中心であるが故か
家族全員からの様々
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