家族アフェア/フミタケ
様々な影響で
家の中に居場所が無いに等しい
物理的には一番広いスペースを自室として確保しているのにだ
書斎はあるにはあるが
色々な状況的干渉により
思うような空間を全く構築できず
それは妥協の果ての宙ぶらりんな産物となっていて
迷路のような様相を呈し
それでもなお
辛うじて父らしい宇宙をかもしてもいる
僕が「まともな」仕事に就いた時
家族はみんなとても安心してくれもしたが
どんなに仕事と人生に葛藤や違和感をおぼえていようと
そんな事には何の関心もないようだった
僕は職を変え
不安定ながらも小さな充実感のようなものを少しは味わえるようになったけれど
家族は今の僕に
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