冬/音遥
 
今年もまた、この街にやってきた。


一年ぶりに見るこの街は、昨年と何も変わっていなかった。
人々は、冬に向けての支度を始め、ショウウインドウには冬物の服が飾られている。


またこの季節が来てしまった。
おそらく、僕はあまり歓迎はされないだろう。
僕がいる場所の空気は、人々はあまり好まない。


コタツに入ってミカンを食べる。
毛布に包まってテレビを見る。
僕と関わることを、人々は拒み続けている。




『今年は雪降るかな?』




小さな子供の声がした。
両親と手をつないで楽しそうに歩いている。
両親が頷くと、とても嬉しそうな顔をした。
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