冬の夕暮れに便所に立つまでのひとつの乱雑な考察/ホロウ・シカエルボク
 
だけどそこそこ判ってくれる奴だっているってもんだ
どっちもいるからどっちも正解、好きなようにやればいいんだ
ひとつの決定がひとつの事実を縛ることなんて出来やしない
留まっても見定めることなんて決して出来はしないぞ
流れてゆく景色の中で目にとまったものこそが真実だ
僅かな時間で目の中に焼きつけられた景色だけが
それを解かずに受け止めることが大事なんだ
生きてることなど人の身に理解出来るわけがない
そのまま次の地平に行け
焼きつけられたものがお前の中でいつかひとつの世界に変わる
紙きれの上にまぼろしのようなお前の人生
紙きれの上にまぼろしのようなお前の人生が
[次のページ]
戻る   Point(1)