冬の夕暮れに便所に立つまでのひとつの乱雑な考察/ホロウ・シカエルボク
 

ここにあるのは誰に届かない叫び
そんなものにどんな意味があるのだろうかと時折考えるけれど
意味の有無を考えることが俺の人生の命題ではないのだ
続けること、続けること
ひとつの石を磨き続けるみたいに
なんらかの欲望のもとにそれを紡ぎ続けること
俺の言葉はこれまでの激しさや忙しさとは別の
呆然とした地平へ向かい始めている
その地平に立った時俺の目に何が見えるだろう
冬の夕暮れや夏の夜明けのような恐ろしさがそこにあればいいのに
跳ぶんだ、見えてようが見えていまいが
一度飛び始めたら飛び続ける以外に選択肢はないはずさ
生身の筋肉が果てしない瞬間を駆ける
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