冬の夕暮れに便所に立つまでのひとつの乱雑な考察/ホロウ・シカエルボク
は生きたいと願っているせいだろうと
カテゴライズの必要性にそっぽを向いて飯を喰う
選んでしまったのだから
上っ面の言葉なんか吐きたくはない
誰の心にそれが届くことがなくても
心底から引っ張り出して紙の上に並べてやるのさ
俺が目にしたいと願っているのはいつだってそういうものだから
そこに拘り続けて悪いことなんか何もない
冬の夕暮れが恐ろしいのはそのまま凍えてしまうのではないかと考えてしまうから
夏の夜明けが恐ろしいのはそのまま焼き尽くされてしまうのではないかと考えてしまうから
そんな風に当り前に忍び込むものを歌おうとすることに
手法や韻律などどうして必要だ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)