星空を見上げる/フミタケ
子供の僕に見せた星空とおなじ
あの星の瞬きが今ゆっくりと
東から西へ流れていくように見えるのは
僕の目の呼吸のせいかな
自転する地球の賜物なのかな
隣にいた誰かがまた
僕を削り取って西に死んでいき
誰かの新しい愛がまた
歌うように東からうまれていき
葬送と産声の惑星で
生きる喜びを噛み締めるために
まるで林檎をかじるように
誰もが恋をおいかけて僕は
君のいる街の君のいる部屋の君のベッドまで
すぐに飛んでいけそうな気がしてる
首が痛くなるくらい垂直に夜空を見上げ
その視線の先にあるのは
気が遠くなるほどの
誰一人いないさびしい広大な世界で
もし君も同じ星を見上
[次のページ]
戻る 編 削 Point(7)