星空を見上げる/フミタケ
見上るとしたら、
そこにはどれだけの角度の違いがあるのだろうか
下弦の月がそこにはあって
誰もあえて語ろうとはしない
下弦の月がそこにはあって
街の雑踏から潮の満ち引きにまで
閉じていくその大きな流れにのなかでも
かまっていられずダダをこねつづけるように
血をたぎらせて燃えているから
言葉にならない小さな声に
形にならない物語の欠片に
なんにもない夜明けの海のおしながされた静けさに
視線を向けて
スポットライトのように
ひとつひとつを
ストロボライトのように
瞬間と永遠を
またたく星の透き間に
シューティングスターを
拾い上げていくならさ
間違いなく聞こえるよ
詩の音を聞け
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