水族館の地下世界/番田 
 
モグラがぼんやりと地中深くをさまよっている。でこぼこになりながらまっすぐに伸びていた。緑色なのはプラスチックなのかもしれない。中には、赤い魚だけが泳いでいた。子供がまた一人、その前へと通り過ぎた。

そんな水槽の外にはいくつもの彼らを見つめる目があったけれど、ああ彼らはそのことに気づいているのだろうか。何もない日々へと何かを考えるとするならば、正しいことだけがそこにある。だから僕は重い腰を上げてその場を立ち去っていく。うひゃあ。昼頃に食べたものがただ胃腸につかえて少し苦しみのようなものをそこに感じた。苦しみから逃れる方法をそして考えながら、苦しみの中に巻き込まれて、出て行きたいと思ったが何もで
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