短い虚無の話/散布すべき薬物の所持2
 

が、ここにはある

僕はがさがさと這いまわるこの風を受けながら
折り紙を捨てた事を悔いながら死んで行く自分に
何か美しいものを探していた


だが何もない




2、
ポケットに過去を入れていた
208円の過去だ

ポケットに手を入れたまま歩いていて
す、とポケットから手を抜くと
ちゃりんちゃりんと208円が落ちた

208円は落ちると粉になった
白い粉になって吹く風に飛ばされていた
僕はこの理不尽な事柄を正当化しようとした

 どうせ俺はこの金でグラニュー糖を買っていたんだ
 そして買ったら買ったでこの場所で
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