認識よりも深い「青」(詩論序説ノート)/まどろむ海月
 
 自分を振り回す日常の視点を相対化して、現前する世界そのもののかけがえのない永遠性・不可思議性を開示するために、言語・記号の在り方をずらして既視性を揺さぶるという現代詩人としての方法があります。私自身も使用します。
 このような散文による理性的・分析的・解体的な表現とはちがって、生の総合的な力を直接的に反映しうる表現でもありうる詩は、生きることの日常にありふれたものの深さを見つめなおすことの方法でありうることが、いつも最も大切なことなのだろうと思うのです。仮にも詩を、マッチョな発想によるヒエラルキーを構成するための手段に、堕させてはなりませんし、自由で無限に豊饒なものであり得る自己の生を、独自な
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