認識よりも深い「青」(詩論序説ノート)/まどろむ海月
れ、種々のタンパク質や細菌の数や変化、すべての分子や原子の位置や動きetc。
人間には、たとえば、仮に「青」と名付けられているこの生来のアプリオリな感覚とは何なのかさえ、分かりえません。もちろん五感のすべて、すべての色も味も音も匂いも触感も、物を形として捉えることも、つまりすべての認識の土台も枠組みもなぜ認識が成り立つのかもそもそも認識とは何かさえ、わかりえません。そして、感情も愛も。
カントは、こういうことに思い至った人です。そして矮小な人間の、認識のむこうに認識しえない物自体を、認識の根拠であるアプリオリな能力の由来に神の存在を、発想したのでした。
フッサールは、その不可能な発
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