認識よりも深い「青」(詩論序説ノート)/まどろむ海月
 
に、私たちの日常は包まれているのです。
 もう10年以上前から、青とは何か、赤とは何か、という謎が、世界観を根底から覆す深さがある、解き得ない衝撃的な謎であることを、わかりやすくどう表現したらよいのかを悩み続けています。(これが表現できれば、ありふれた日常の、ありふれていることそのものに、永遠の深さの相貌を与えることができるはずだからです。フェルメールの絵のような。)

 知性・認識力による強大な力を利用して、人間はこの地球に君臨しました。しかし、私たちは何を認識できているというのでしょうか。この手のひらの上の一瞬の自然にさえ認識不可能な無限の事実があります。皮膚や血管の状態や赤血球の流れ、
[次のページ]
戻る   Point(3)