電解質イエロー、あるいは触媒世界/真島正人
みが
無機質なとげのように生えている
これは乳幼児のはえそろったばかりの
柔らかい歯に似ているな
僕はそれらを拾い上げ
指できめ細かくなでると
唐突に自分の口の中にも指を入れてみた
かちり、とはけして鳴らない
大人びた僕の歯
※
対比関係
空中の濃度
手を振り上げた青年は
何に向かい手を振り上げたのか忘れてしまった
だが手を振り上げられただけ君はマシだ
君はこぶしの中に掴み取ろうとした
空中に漂う思考を
それは大勢に関係し
そして唯一生き延びてきたものだろう
僕はそう確信している
DAY
AY
Y
電光掲示板が順々に消えていくのだ
PAST
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