遠/木立 悟
誰も連れていってはくれない
共に歩いてもひとりになる
着く場所は
無いほどに遠い
てまりうた 狭窄
てまりうた 混濁
虹に刺され
四散する曇
花が咲き かがやき
かたちはこだまし
闇はわずかにつぶやき
遠のく
棄てられた雪
二羽の鳥
川を流れる
流れる
くちびるの行方
汽笛の行方
夜から朝への
道ではない道の道のり
袋のなかで
砕けた菓子
いちばん大きなかけらを手にして
小さな音の影は駆け去る
わたしはあなたの舌先には居ない
ひとりにさえ蹴られるひとりとして
あなたから外れて
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