男の修行/鵜飼千代子
ない
この旅を終えて逢った時
初めて本当にあの人のやさしさに寛げる
そしてそんな彼女を
心から慈しむことが出来る
帰って来ないかもしれない俺を
笑って見送った
止めなくていいのか
心配ではないのか
それ位の気持ちなのか
それとも馬鹿なのか
違う
わかっているのだ 何もかも
俺と幸せになりたいのだ
自分に自信のない今の俺では
幸せに出来ないとわかっているのだ
そして
そう感じる俺が幸せではないことをわかっているのだ
もう少し頑張ってみよう
自分自身に問いながら
もう
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)