男の修行/鵜飼千代子
 
ない
  この旅を終えて逢った時
  初めて本当にあの人のやさしさに寛げる
  そしてそんな彼女を
  心から慈しむことが出来る

  帰って来ないかもしれない俺を
  笑って見送った
  止めなくていいのか
  心配ではないのか
  それ位の気持ちなのか
  それとも馬鹿なのか

  違う
  わかっているのだ 何もかも
  俺と幸せになりたいのだ
  自分に自信のない今の俺では
  幸せに出来ないとわかっているのだ

  そして
  そう感じる俺が幸せではないことをわかっているのだ

  もう少し頑張ってみよう
  自分自身に問いながら
  もう
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