労働/攝津正
は何も出来ないのだった。攝津は無能であり屑だった。
攝津は、船橋市地域生活センターオアシスに相談に行こうと思ったが、両親に反対され、中止しようか迷っている。相談したところでどうなる訳でもなし、交通費も掛かるし…。
馬鹿げた話だが、攝津の人生自体が馬鹿そのものだった。
自分の中の何処かが何かが脆く弱く成っている、と攝津は感じた。些細な事で痛みを感じ、受苦し、悶え苦しむようになってしまった、というふうに。この苦しさは神経性のもので、喩え難い苦悩であり苦痛である。攝津はもう十年以上前からこの種の苦しみに悩まされていた。肩や胸が痛む。頭が痛む。不定愁訴という奴だ。適応障害、男のヒステリー…
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