夜が来る(名前を付けられない喪失なんてまるで人生に付けられた名前みたいだ)/ホロウ・シカエルボク
 
そうだったか?
ほうらイデオロギーで火だるま踊りのその後は空っぽの地平であまたの亡霊とかくれんぼ
おまえの目の前でぺろりと舌を出してる男の顔が見えるかい
俺には全く間抜けなことに思えるが
恍惚と疲労で呆然としているおまえにゃ全然見えないらしいな?



さて俺は街角の小さな憩いの場に置かれた噴水みたいに失意が部屋の真ん中で吹き上がり床に溜まり
ネズミが車を回すみたいにくるくると循環しているのを見ている時刻は薄暮あたりでその光景はなんだか名前を付けられない喪失を連想させる
名前を付けられない喪失なんてまるで人生に付けられた名前みたいだ
誰かの選んだ赤い首輪をニュ
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