夜が来る(名前を付けられない喪失なんてまるで人生に付けられた名前みたいだ)/ホロウ・シカエルボク
とを知ってるみたいにじっとしてた
「動かない」というアクションだってこの世にはあるわけさ
そのことについてはもう少し考えてみる必要があるかもな
失意の感触は終始前後に揺らめいていて
だけどそこからは生き物の匂いなどわずかも感じられず
まるでそれは打ち捨てられた古い言語によって関係性を記録された誰も知らない法則によって動き続けているかのよう
我知らず記憶するそれのリズムは
心中に確かな不快感を残す
キッチンで読みかけている差出人不明の
長い手紙の最後の一枚は多分落書きで終わっている
そのとき初めて真実が脳裏で翻るのだ
ハナからそんなもんに手をつ
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