錆びた時間の牙/ホロウ・シカエルボク
し、そいつの意識を逸らしてしまえばいい、多少の痛みは腕に残るけれど、それが一番手っ取り早い話だぜ
俺がなんについて話しているのか判らないだろう…俺がいつも見ている景色のことを出来る限り判りやすく話しているつもりなんだが
俺が何について話しているのか全くよく判らないだろう?きっとこんなものを見ているのは俺だけなんだろう、判ってもらいたくて話してるわけじゃないよ、ちょっとした時間つぶしのネタみたいなもんさ
今朝夢を見たんだ、本当の夢の話だ、目を閉じて…眠っているときに見る夢の話だよ
夢の中の時刻はおそらく真夜中で―そう、夜空が蒼っぽい黒に満ちている時間帯さ
小さな道の壁の上に昇って
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