はなび/木屋 亞万
裸の身体をシートベルトが締め付けている姿を見て、思わずアクセルを踏み込んだ
男の家はすぐそこだったのだが
訳もわからず全速力で直進を続けていき、すぐに高速道路の入り口についた
高速で行きましょう、と女が言った
男には女が拘束してイかせてちょうだいと言っているように思えた
男はその厚い唇が動くさまに視線を奪われて、前を全く見ていなかった
しかし不思議と事故を起こすことはなく、高速道路をひたすらに進み続けた
少し落ち着きを取り戻した男は
女が膝の上に綺麗に畳まれた服を乗せていることに気付いた
その服を着ないのかい?と男は尋ねた
男は女に服を着て欲しかったのではなく、
女の
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