緑に覆われた世界を垣間見た。/影山影司
 
。陸路のプロ、プラーンコーンの専門がお手上げなら、そりゃー水路開発も進むってもんでさ」
 そうだ、そうなんだよ、とウォッカは机に蹲った。
「あんた、知ってるか? ここら辺のジャングルで迷って死ぬと、一週間も持たずにカラカラの骨だけになっちまうんだ。人間をどろどろに溶かしちまう高温多湿、食肉微生物、虫、そんなので一気に食われちまうんだ。それでな、骨は、プラーンコーンの爆発的な成長で押し上げられて、葉っぱにひっかかったまんま、上空に連れてかれちまうんだ。時折風が吹いては骨が落ちて、下の葉っぱやらに当たって、その度にパラパラって音がするんだぜ」
 ウォッカの眼は、それから焦点を結ばなかった。
 
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