緑に覆われた世界を垣間見た。/影山影司
人と酒を飲む事を好まない性質であった。まして、男と酒を飲む事など。ただ、何故だかウォッカに惹かれ、その日は彼の言うままに酒を与え、自分も彼を追いかけた。
「あんた、どこまで行くんだ?」
「俺達は川の上流でね、支流を作る工事をするんだよ。ここらは、プラーンコーンの発育がどーも急みたいでね。新しい道が必要なんだと。切り倒して抉って削って、新しい水の流れを作るんだ」
「そうだ、ここのプラーンコーンは、あっという間に成長しちまう。普通のプラーンコーンの何倍ものスピードだ。おまけにその間を縫うように弦樹が生えてるから、陸路なんてまともに使えやしない」
「地図屋も難儀してるらしーね、この辺はどーも。陸
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)