緑に覆われた世界を垣間見た。/影山影司
 
と繰り返すので仕方が無いのでウォッカと呼ぼう。v/o/d/k/a。VODKAだ。ウォッカは酩酊していた。一杯のウォッカを奢ると、杯を傾けて煽ったので、もともと酒には強いのだろう。有り金全部、酒につぎ込んでいるようであった。そんな飲み方、体に悪いだろうと言うと「いやァ、こうして飲むと腹が減らんのだ」と言う。私は追加で二杯頼み、彼を真似てガラス色の酒を舐めた。つまみに、塩肉でも、というと「肉は食えん」と顔を背ける。
 ザァザァという音は平気なんだ。とウォッカが言う。今日のような乾いた音のする雨は、駄目だ。と繋いで。思い出すんだ、と雨音を振り払うように、酒が足りない、と、酒で濁す。
 私は別段、人と
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