「えいえん 佳子1997 冬」「鳥の唄 2000 冬」全面改定版/ダーザイン
私は小鳥だと彼女に告げる/見えない目配せで告げる/彼女は瞬時に理解する/理解する/彼女は//
雪原の果て/存在しない女の形をした巨大な塔が/音もなく炎上している//
鳥の飛影は高々と舞い/私たちの姿もビル群も小さな点になり/成層圏の遥か彼方/青黒い空の向こうに銀河が煌めいている。絶対零度の波打ち際に(私たちは、厳冬の石狩湾に寄せる波が凍りついて、波の花、氷の泡が塊りになって、転がっていくのを見たことがある)/打ち寄せる/吹き溜まる/光年の彼方/核融合の青白い光芒。密集する蛍烏賊の群れは光の速度で遠ざかっているのだが/白鳥座の巨大な十字架に/青銀の/赤銀の/小さな星がそっと寄り添って
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