「えいえん 佳子1997 冬」「鳥の唄 2000 冬」全面改定版/ダーザイン
 
列車の鋭い金属音が地下駅構内に反響する)/粉砕し/轢断された断片は/連続する接続実験に連なることを許されず//私は/私たちは/シューマン係数(注1)と/共鳴/しない/

 送電線がうなる音が聞こえる/断線した電線が鞭のようにしなり/血が滴っている。ビルの陰にはいつも血溜りがある/電線を伝わって/血しずくが流れていく。白い杖の少女が戻ってくる/ぬるりとした死の肌触りが彼女の顔をなでる/彼女は上を見上げる/見えない目で/見えない目で/俺と目が合う/視線が絡む/見えない視線が//
 小柄なやせた少女/艶やかな黒髪/白い肌/エメラルドの瞳(地球の固有振動(注2)とシンクロするソプラノを秘め)
私は
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