「えいえん 佳子1997 冬」「鳥の唄 2000 冬」全面改定版/ダーザイン
はや判別し難い天上の染みのようになったそれが、青空の彼方に消えていくのを見送りながら思った。
だいじょうぶなのかおまえ。
何処から来て何処へ行くのだ、おまえはと。
小鳥を見送り視線を戻すと、ビルの縁、巨大な飛び込み台の上に両手を広げて立つ彼の姿があった。目が合った瞬間彼はかすかに微笑み、そして飛んだ。あまり美しい飛翔ではなかった。重力には逆らえない。しかし彼にとってはスワンダイブで。
水溜りに映じる青空の中に、赤い/花/
私は/私たちは/墜落し/落下し/下放され/放擲され(投身軌道は地軸に対して垂直ではない)/高層ビルから/或いは列車に/投身し(地下鉄構内に到着する投擲列車
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