アスラエル/チアーヌ
 

「ええ、昨日行ってきました。旦那さんの写真を準備してくれって言われたんですけどなかなかいいのがなくって」
 なんだ、俺の葬式の相談か。気が早いな。
 いやそうでもないのか。
 
 目が覚めたら夜だった。側には誰もいない。
 いつかのように、静かな夜。
 俺はただ、ぼうっと目を開けた。
 すると、どこからか足音が聞こえてきた。
 その足音は俺のいる個室の前でピタリと止り、ドアが開いた。
 静かだが、はっきりとした足音だった。
 その足音は俺の方に近づいてくる。
 そしてカーテンがすうっと開けられた。
 グレーの白衣に、ナースキャップ。色白の顔に黒い髪。
 あの看護師だっ
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