アスラエル/チアーヌ
」
「しばらくじゃないんだ。ちょっと、なんですね」
俺はなんだかおかしかった。
こんなことを言う看護師は今までいなかった。
でもほんとうは、こんな風に普通に、残り少ない日々のことを誰かと話したかったのだと俺は思った。
「それじゃ、おやすみなさい」
看護師はカーテンを閉めると、再び斜め向かいの男のところに戻っていった。
俺はなんだか気になって、またそっとカーテンの隙間からのぞいた。
看護師は男になにやら話しかけると、男の頭のほうに回った。
すると、部屋の中にゴトン、という重い音が響いた。
看護師は、ベッドを壁から外したのだった。
どこでもそうなのか、ここだけな
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