アスラエル/チアーヌ
 
そんなどうだっていいことをしゃべっていて、不意に気がついた。
 苦しくない。
 痛くない。
 こんなはずはないのに。
 いくらでもしゃべれる。
 俺はうれしくなりしゃべり続けた。 
「でもね。俺、このゲームやってて花が咲くたび、最近時々思うんですよ。何しろ三十時間くらいかかるから、ああ今回も花が咲くまで俺は生きていたんだなぁって」
 看護師はにこにこ笑って聞いていた。
 普段は、あまりこういうことは言わないことにしているのだが、なぜかこの看護師には気軽に話せた。
「まだ、大丈夫ですよ。もうしばらく」
「そっか。もうしばらく、大丈夫なんですか」
「うーん、もうちょっと、かな」
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