無意識化のノート、1ページ目/ホロウ・シカエルボク
んじゃないか、どこにも出ていくことも出来ない墓場さ、それは果てしない底をもった沼のようなものだ、流れ着いて、そしてどこへも流れ出ていかない、輪廻なんかない、無自覚なままそこにきてしまったものはもう、廃棄物程度の価値しかない。俺はこうして無意識的に生まれてくるものに感覚を集中させながら、そんな墓場に流れていくことの怖さについて考える。もしも、もしもだ、そんな底なしの沼に足を踏み入れてから自覚してしまったりしたら…どうなるんだろう?それはとんでもない恐怖だ、完璧に改心してしまった終身刑の衆人みたいなものだ。今ならこんなことが出来る、こんな風に物事を進めていくことが出来る、そうか、あの時こんなことで間違
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