荒地にて1.5/徐 悠史郎
なろう。詩人は地球にいてはならない。何年か前のアコムのコマーシャルの彼らのように、<ちょっといま地球に来てる>状態でなければならない。
こうしたかたちでの地球人感覚を日本語によく定着しえているもののひとつに、谷川俊太郎『夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった』の冒頭に掲げられている数行がある。引用しちゃう。
そして私はいつか
どこかから来て
不意にこの芝生の上に立っていた
なすべきことはすべて
私の細胞が記憶していた
だから私は人間の形をし
幸せについて語りさえしたのだ
私は個人的には、この詩集『夜中に……』とピーナツの翻訳以外は谷川氏のワークスは基
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