【批評祭参加作品】失われた「鈴子」を求めて/香瀬
 
一回り見渡すと、バカみたいと言って教会とは反対の方角へ歩き出した。あたしも彼も見上げる子供たちも見上げられてる子供たちも誰一人「ホーキンスさん」の具体的な財産に興味はなかったのだが、誰一人そのことに気付かなかった。

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読み進めるたびに脈絡はぶつぶつと切られては結びなおされ、切られては結びなおされ、浮かび上がってくる謎は、手がかりばかりが死ぬほど与えられて、読者はいつまでも肝心の餌にありつけないまま(まさに犬のように)、お預けをくらわされ続けるわけです。
(ヒダリテ・レス、一条「john」)




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私は、一条さんの作品はまだあまり読ませて頂
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