【批評祭参加作品】失われた「鈴子」を求めて/香瀬
なかった。もういちど寝ようとしたけどやっぱりうまくいかなかった。アメリアの部屋にはだれもいなかった。アメリアは起きあがるとホーキンスさんがむかしくれた手紙をつくえから取り出してよみはじめた。それはお母さんが昨日くれた手紙とまったく同じないようだった。アメリアは読みおわるとバカみたいって言ってもういちど寝ようとした、こんどはうまくいって、けっきょくバカみたいなのは(一条「ホーキンスさん」初出、全文)
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朗読を終えた子供たちの周りでは朗読を聴いていた子供たちが喝采の拍手を行っており、鳴り止まぬ右手と左手の悲鳴を背景に死んでしまった一人の男子をホーキンスさんに見立てた葬儀が粛々
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