【批評祭参加作品】失われた「鈴子」を求めて/香瀬
粛々と公園内では執り行われていた。
彼女は相変わらず煙草をわっかに吐き出し続けていて足元には吸殻が教会に行く前より増えているから、僕はおしっこに濡れた靴やズボンの裾のべとべとを意識的に無視してさっきよりも八倍に増えた子供たちの群れに入っていった。
公園の地面には水玉の影がいくつもできていて、見あげると水玉のパンツがいくつも浮かんでいる。
今日は水曜日なので公園の右側と左側に子供たちは分かれてどんぱちをはじめた。真ん中には顔をくしゃくしゃにされた「ホーキンスさん」役の男子が横たわっている。固有名詞は「0」で、それを中心にまわりはどんぱちしているけど、そのどんぱちだってルーチン
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