【批評祭参加作品】客観描写ということ(高浜虚子)/古月
てあなたは自分の内面にどれくらい真剣に向き合えているだろうか。
どうも、自分は散漫に書き散らして楽をしているくせに、読み手には読解の苦労を強い、そうして自分の望む読まれ方をしないと不満を漏らす書き手が多いように思える。
読む努力をしない読み手を責める前に、書く努力を怠った自分を責めるべきである。
3.寡黙の力
「寡黙の力」というものがある。
「寡黙ということは、最も大きな人間の力の表現である」とはまことに同感であるが、それはおそらくは単純に言葉数を減らせということなどではないだろう。
心のうちを一から十まで説明しなくても、情景を描くことで比喩的に心のうちは
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