【批評祭参加作品】客観描写ということ(高浜虚子)/古月
も、読み手にしてみれば「それに対して感服するよりもむしろ反感が起こる」ものなのだ。
だが、ならば主観を描いた詩はすべて詩として不出来なのか。そうした疑問をあなたも持つだろう。
そこで、ようやく本題である。
2.客観描写
はじめに、客観描写とは何か。
虚子の言葉によれば、それは「客観を見る目を養い、感ずる心を養い、かつ描写表現する技を練ること」であり、「それらを歳を重ねて修練し、その功を積むならば、その客観は柔軟なる粘土の如く作者の手に従って形を成し、(中略)やがて作者の志を述べることになり、客観主観が一つになる」のだという。
このことを、虚子は絵画
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