【批評祭参加作品】客観描写ということ(高浜虚子)/古月
 
されたものから引用し、紹介してみたい。現代詩と俳句、違いはあれど、表現という点では同じである。これをお読みいただいているあなたが虚子の言葉を心の片隅にとどめ、今後の創作活動において役立てていただけるならば、これに勝る喜びはない。

1.主観批判

 のっけから乱暴な話をするようだが、読んでげんなりする詩というのは、残念ながら確かに存在している。読み終わったあと「ああ、またか」と思い、何の感慨も催さず、すぐに忘れる。そういう類のものである。
 とはいえ、誰しも好んでそんな詩を書いているわけではないだろう。みな、己の心のうちを伝えようと苦心し、自分では最善を尽くしたつもりで、それでもな
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