たぬき裁判/……とある蛙
 
ません。

 僕も呼ばれ判決を言い渡されそうになったので、思わず手を挙げ

「裁判長、異義があります」と叫びました
 タヌキはジロッと私を睨み
「事前に異義書面が無いので却下します」
事前に書面が必要だとは聞いておりません。出頭通知にもそのことは記載されていません。訴状の要旨は同封されていましたが、訴状それ自体はまだ読んでいません。

「せめて訴えの理由を教えてください。要旨では分かりません。」
タヌキの裁判長は人をバカにしたような顔をして(あいつらは人を化すのが商売だっけ)、このように述べました。

「あなたの飼っている黒猫のルビーは本来子猫の段階で淘汰され死ぬはずでした
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