ネグリ/真島正人
 
ほうが良かったこと

語らないで置いておくと
自然に牽引されていくもの
その貨車に馴染む
青白い炎



君をゆっくりと燃やしたのは僕だ
僕がゆっくりと燃やした
もやい影をまとう君は
そのままでも良かったのだが



夜が更けてからしっかりと
連絡をする
いつものあの匂いのいい肉屋の前で
待っていてほしい
ありったけの後悔と懺悔は
物干し竿につるして
自然光で乾かすことにした



君は語れ
そして歩め
体中の大気を
吐き出してしまうがいい



懐かしい郷愁
戯れだけが
帽子をかぶっている



ひとつ、ふた
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