ネグリ/真島正人
ふたつ、みっつ
数え上げればきりがないが
数え切れない数の港が
一斉に吹き出した
歪み
※
現代の何が
問題なのか
現代の何が
塹壕で息を潜めているのか
それはいまだ現代なのか
あの草いきれのいやな匂いは何か。
※
君はしっかりと見たのか
その瞳で
※
鐘が8つ鳴ると逃げ出せ
それまではゆっくりと拒み、ゆっくりと赦すがいい
※
呼吸だけが君を助ける
僕は転倒し
昨日スリッパを間違えてはいた
昨日庭には雨が降っていた
木製の
ガーデニングチェアが濡れていた
流星が降った
だが流星は降らない
何かが反射していた
思いの丈をそのままにして
らせん状に
上っていく
君のその階段に
いくつも仕掛けられていた意味のない罠は
僕には痛かったが
僕はそれを克服した
あとは君の、
口からつむがれる幸福があればいい
恐れるな
歌え
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